子どものためのネット・ゲーム依存防止講座に行ってみた。まとめ
昨今、問題になっている、ネット・ゲーム依存。正直なところ、子どもだけではなく、おとなも気になっているのでは?
今回の講座は、『子どものためのネット・ゲーム依存防止講座』
親子で、そして、周りの講座参加者とも、一緒に考えていくもの。(恐れ知らずにも、アラサー女1人で)参加してみた。
昨今の子どものネット事情。
親からすると、子どもがどう使ってるかわからないけど、とにかく「使いすぎ」てる。長い。トラブルも心配。
子どもからすると、注意はうざったい。よくよく聴くと、なんと意外、暇だからネットを見てると。でも、勉強や宿題はやりたくないし…,
(いや、宿題、やってるから!と、子どもからのツッコミあり笑)
「使いすぎ」と「依存」
じゃ、そもそも、「使いすぎ」って、何なのさ?
「使いすぎ」とは、他のやるべきことや身体に、悪影響が出ている状態。
そして
「依存」とは、使いすぎを、自分の意志でやめられない状態。
とどのつまり、4時間使おうが8時間使おうが、日常のやるべきことが出来ていて、使う時間を自分でコントロール出来ていれば、使いすぎではないのだ。
逆に、1時間でも、その後ネットやゲームのことが頭から離れないでもんもんと1日過ごしているようだと、使いすぎや依存傾向があると。
ただ、面白いのが、「何時間からネット依存だと思う?」というアンケートの結果。
小中高の、ネットを使う時間が短い子は、「1時間」「2時間」と少ない時間を答えたが、
ネットを使う時間が長い子程、「8時間以上」など、多い時間を答えたこと。
おとなで言う、大酒飲み程、「自分は、まだ大して飲んでないから!!!」ってヤツですな。
因みに私?
「8時間」と答えましたよ!
使いすぎ?知ってる!!!!!爆
長い時間使ってる人程、「自分はまだ、あそこまで酷く長く使ってない(から、大丈夫)」という、楽観バイアスがかかりやすいので、注意すること!自分含め!!!
使いすぎの要因
さて。
使いすぎ要因は大きく3つに分けられる。
1.環境的、2. 心理的、3.対人的。
1.環境的は、例えば、使ってるネット・ゲームサービス側が、より使ってもらえるように、のめり込めるように、工夫していること。
また、親が日中働いていたりすると、注意する人が周りにいない、というシチュエーションもあったりする。
2.心理的は、勉強がわからないから、不安で現実逃避に使ってしまう。或いはストレス発散に使う。
気をつけたいのが、必ずしも、ネットやゲームを使っているから、勉強が出来ないとは限らない、ということ。こうなると、使いすぎだと取り上げるだけでは解決しない可能性が高いこと。
3.対人的は、友達からLINEのやり取りが中々終わらない。又は、好きなインフルエンサーのインスタの更新が気になること。などなど…。
「他律」と「自律」
この要因3つを踏まえて、子どもに注意するとして、果たして、
注意したところで、ルールを守れるようになるのか?
結論から言いましょう、注意されたから守る、を繰り返すと、言われないと守れない。という習慣になってしまう。だよねー。
他人の命令によって行動する「他律」から、常に自分の意志で行動できる「自律」へ。
これを目指さなければ。
自覚しよう。見える自分の使いすぎ
「自律」のための第一歩は、使いすぎの「見える化」
まずは、1日24時間の時間の使い方を記録してみる。何日も書き続けると、大体の傾向がわかる。
書いたら、友達と比べてみる。ちなみに、この時出来るだけ、自分より上手に時間を使ってる子と比べて参考にしないと、「友達も結構使ってるし〜」となるので注意。笑
タイムマネージメント出来るようになる
ネット・ゲームに限らず、「自律」出来るようになるために、「タイムマネージメント」を身につけ、習慣にするといい。
手順は3つ。
1.やることを、書き出す
2.「時間」を予想する
3.やる順番を考える
特に2.「時間」を予想する、
これは子どもにとって難しい。(ぶっちゃけ私も難しい)
おとなは、これまで生きてきた経験則で、ある程度の見当がつきやすい。だが、やったことが無いものは意外と難しかったりする。
因みに講座では、「自分の名前、10回書くのにかかる時間は?」というワークがあり、予想時間を立ててから、実際に書いてみた。ぜひ、周りの人を巻き込んでやってみよう。結構予想とズレたりして面白い。
タイムマネージメントの3つの手順を身につけることで、
「時間を意識してから始める習慣づけ」
をしよう。
スローガン的ルールになっていませんか
各家庭、ネットやゲームのルールはあると思うが、守れないことが多かったり、子どもがルールをあまり認識してなかったりする。
ルールを破る度に、怒ったり、ゲームを取り上げたりすると思うが、先の話に出た、怒られないとルールが守れない、他律になってしまう。
では、決めたルールを見直してみよう。
例えば、
長い時間しない。
夜遅くまでしない。
友達の悪口を書かない。等々…。
そりゃ、文句つけるまでも無い、守った方がいいに決まってる、「スローガン的ルール」になってることが、非常に多い。
このルールを、具体的な数字や例を入れて、ズレを見直してみよう。
自律に向けたルール作り
ルールを決めたら、もう1つ。子どもと共に、決めたルールを「守れないシチュエーションを沢山挙げてみよう」
ルールは破りそうな時は「ある」
それを前提として、「どう工夫すれば、守ることが出来るか」を事前に沢山出して、その対策を立てられるかが鍵になるのだ。
ここから少し私ごとだが、
発達障害グレーゾーンとかだと、ルールを守れないを繰り返した結果、守れない自分に自信を無くし、自己否定や2次障害の鬱に発展したりする場合もあるので、ぜひ、ぜひぜひ、親子でルールを守れる習慣を、話し合いながら身につけて欲しい。(願望)
講師の取り組んでることの1つには、特別支援むけの情報教育として、強い欲求などに対応するため、ルーティン化、などもあるようなので、気になったらホームページを見て欲しい。私も書き終わったら読む。
その他、ルールの工夫アイデア
ルール作りの参考に、過去挙げられた工夫アイデアをいくつか紹介した。
開始時間を決める
行動目標、具体的に数字を決める
1日1時間18時〜19時まで、など。
終わりの時間を宣言する
ルールがあると、「家は19時までに終わらないといけないから」と断る理由にしやすい。
終わり時間の10分前に音楽をかける
盛り下げる、落ち着く音楽を。所謂、蛍の光効果。
コミュニケーションしながら
親も子どもも、ネットやゲームへの認識の違いがある。認識のズレをコミュニケーションしながら気づき、擦り合わせていくことの大切さを改めて感じる講座でもあった。
この記事では省略せざるを得なかったが、カードゲームをしながら、自分にとってイヤなコトバはどれ?とか、されてイヤなことを順番に並べてみよう!などのワークもあった。
カードはLINE×静岡大学「楽しいコミュニケーションを考えよう」として、LINEのホームページからダウンロード出来るので、こちらも家族や友達と遊んでみると面白い。
意外と普段気づかないが、
自分にとってのほめコトバとイヤなコトバが、
人と同じとは「限らない」
違いに気づかなくてトラブルへと繋がることが多いので、イヤなことはしない!の先の、そもそも相手にとってもイヤなことか?を考えながら、コミュニケーションによる意見の擦り合わせがホント大事、ということを深い実感を持って聴き終えた。
芸術の秋、読書の秋。
過ごしやすい秋の夜長に、ネットもゲームもサクサク進む…かもしれないが、たまには少し立ち止まって、ネットやゲームの使い方を自他ともに見直すキッカケにしたい。
塩田真吾准教授のホームページはこちら。
余談。暇潰し一考察。
ちらっと気になったのが、子どもの暇…という一言。
普段私は、趣味で教育問題や発達障害の記事やTwitterを読んでるが、
テレビ、youtube、ゲームって、「教えられなくても勝手に楽しめる趣味」である。
お金もかからず楽しめるが、教養面とか豊かさを考えるとちょっと…という一面もある。(※意見には個人差があります)
一方、読書や工作、私の場合の折り紙などは、「最初は教えてもらわないと、楽しみ方がわからない趣味」である。
親が、或いはおとなが、おとな出なくても年上の子が、読み聞かせてくれたり、折り方や作り方を教えてくれて、もしその趣味が自分の好みに合えば、楽しいと感じれば、「あとは1人でほっといても、自分で楽しめる趣味」に変わる。
しかも、このタイプの趣味は、お金を掛けようと思えばキリはないが、無くても、図書館やレンタル漫画、その辺にあるもの、百均など、工夫もできる趣味でもある。
とどのつまり、趣味を見つけるまで、入門段階をおとなと過ごせるかが、少なからず関わってくるのだが…忙しい現代にそれをやるのはメッチャ大変なのよね…
仮に趣味を見つけた、身につけたとして、今度没頭すると、他のやるべきことをやらない等、ネット依存と同じ問題が発生する訳で…
タイムマネージメントが必要になってくる。
だが更に、そもそも人並みより抜きん出たスキルや気づきを得るには、一定程度の「没頭」をしたり、時間をかけないと身につかない等もあり…
難しい…。
この問題は、今後の宿題にさせて下さい…。